~映画論~

2017/10/07

映画論

映画の見方

映画を見たことが無い人はいないと思います。誰でも見たことがあります。

では、皆さん、見た映画のストーリーを覚えていますか??

そうですね、誰でも覚えています。

 

何が言いたいのか、つまり、誰でも映画のストーリーは覚えていますが、それまでということです。

では、私たちは何に注目しながら映画を見ればよいのでしょうか。

答えはスクリーンです。スクリーンというのはスクリーンの素材が何かを見分けるというわけではなく、そのシーンがどのような角度でどのようにスクリーンに写っているかということです。

 

具体的に見ていきましょう。

 

スクリーンの効果

皆さん、想像してみて下さい。今、スクリーンに主人公がかっこよく一人写っています。この時、監督は主人公をインパクトが最も強くなるように写さねばなりません。

あなたが監督ならどのように主人公を写しますか??主人公を画面の左に持ってくる?真ん中?それとも右??

正解は左です。ただし、゛世界一般としては″左です。もう理由が分かりましたか。

そう、世界一般として文字を左上から右下に書き下ろすからです。普段、文字を左から見る癖がついていると、映画でスクリーンを見たときも意識がまず左に行くからです。

 

世界一般はそうなります。もう分かりましたね。日本語は縦書きというものがあるので右上から左下に書き下ろす癖もついているので、日本人は当てはまらないかもしれません。

 

左、真ん中、右、これだけでも見る人に与える印象は変わってきます。

今までこのようなことを意識してみたことがありましたか?

 

劇と映画

劇と映画の違いを見ていきましょう。

日本人は劇というよりも演劇の方が分かりやすいかもしれません。

 

ここで、演劇について一言。

皆さんは演劇の意義は何だと思いますか。

時は明治時代、西郷隆盛らの西南戦争を代表とする反政府軍が結成されていました。

しかし、ヨーロッパの最新兵器を手にしていた政府には歯も立たず、西南戦争であっさりと負けてしまった反政府軍は力ではなく言葉で政府を倒そうとします。

そこで、反政府軍がしなければならなかった事は市民を見方に付けることです。しかし、当時の市民というと、政治も何も分かったものではありません。例えば、反政府軍がどこそこで政府の政治について演説するよ、と言っても誰も聴きに行ったりなどしません。そこで考えました、大衆(バカ)でも分かるように政府の悪行を伝えるにはどうすればよいか。

「そうだ!劇風にして面白おかしくしてしまおう!」と言って演劇をしたのです。当時のお偉いさんをそのままの名前で出すと怒られるので、名前は違うけど明らかに政府のあの人だな、と分かるようにして劇として市民に政治を分かってもらおうとしたのです。

 

ちなみに、これを劇風ではなく音楽風にして、歌としてみんなに聞いてもらおうとしたのが演歌ですね。

演劇や演歌の「演」は演説の「演」だったのです。

 

だいぶ横道にそれましたが、演劇とはこのようにそのストーリーだけが重要です。演出などはどうでもいいのです。政府の批判が市民に伝わりさえすればいいのですから。

では、映画はどうでしょうか。映画の監督は見ている人をあたかもその映画の中の世界にいるかのように錯覚させる必要があります。臨場感です。

臨場感の無い映画など本と同じです。では、監督はその臨場感をどのようにして出しているのでしょうか。

 

オフスクリーン

ここで登場するのがオフスクリーンによる効果です。オフスクリーンとは画面に映っている外の世界です。戦争ものの映画を見ていて、戦争がその画面に映っている所だけで行われていると思う人はまずいません。これはオフスクリーンによる効果があるからです。

スクリーンに写っていない左のほうや右のほう、上の方や手前の方でも戦争の様子が広がっているのを想像するでしょう。では具体的にはどうすればその効果を出すことができるのか。

例えば、銃撃音や叫び声を入れることで水平的に戦争が広がっているのを想像しやすくするし、戦闘ヘリのプロペラ音を入れることで空中でもドンパチやっている様子が想像できます。このように映画においてはオフスクリーンをいかにうまく使いこなすかが臨場感の演出に大きくつながってきます。

 

演劇ではどうでしょう。役者が舞台から舞台袖に帰っていったのを見ると、見ている人は「着替えに行ったのかな」などと思います。まさか舞台の世界が舞台を越えた所まで広がっているのを想像する人はいません。しかし、演劇はそれでも何も問題ないのです。ストーリーさえ伝われば何でも。

 

映画は違います。臨場感が出てこそ映画である意義を持っています。

このようなオフスクリーンなどの監督の゛技″を私たちは見抜く必要があります。そうすることでその映画がより一層すばらしく感じられるでしょう。

 

映画

映画とは何か、演劇とは何か、そこまで知って初めてそれぞれのすばらしさを理解できるのだと僕は考えます。